scene.7

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「こうやって私が飛び出しちゃって、そして斎が迎えに来てくれて、家まで送ってくれて…」 「あぁ」 「その時、手、繋いでくれてたよ…ね?」 「…」 一体何を言い出すのかと思えば。 躊躇うように言葉を紡ぐ彼女を見て、俺はまた自分に呆れるしかなかった。 何故こいつは、このタイミングでこんな可愛いことを言うのか。 こいつは俺をどうするつもりなんだろうか。 俺の理性がどこまでもつか、試しているのか。 俺は大きく頭を振って、何とか自分を保つ。 「子供か」 憎まれ口を叩いて、舞の手を取る。 それでも、彼女は嬉しそうに俺を見て、笑顔になった。 それを見て、心が穏やかになっていく。 ──いつまで、こうしていられるだろう? 自分に問いかけてみる。 おそらく、もう長くはもたない。 これは予感ではなく、確信めいたものだった。 傍にいる彼女の存在を確かめるように、繋いだ手に、ほんの少し力を込めた。
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