大切な友達へ

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あれから何年経ったかといえば、特に何でもないのだが。  僕が近くのコンビニで買い物をした後、入れ違いに女性が横を抜けた。  その女性は見知った顔をしており、もう小さい女の子ではなかったけれど。  ――きっと、『彼女』だった。 「――どこ行ってたんだよ、千尋」  そう言うと彼女は振り返るような気がした。  偶然にも僕の目の前の女性は振り返り、僕の方をじっくり眺めて、変わらない明るい笑顔でこう告げた。 「お久しぶり、友達」
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