ちーちゃん

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    それから僕らが仲良くなるのに時間はかからなかった。  ちーちゃんは僕の隣のクラスだった。ちーちゃんの最近の悩みは『コミュ障』なところ、後『話ベタなためにクラスで浮いている』と。  そういう話をきいたためか。当初、僕は彼女は女生徒にあんな張り紙をされたのだと思っていた。  しかし、一週間後真相が発覚した。 「――あれ、隣の席の男子がかいたんだって」  その日も図書室でちーちゃんと話していた。さっきまで授業進度の話をしていたのに、どうして論点がずれた。と思ったが、その話に興味があったので、耳を傾けた。 「なんかで、つい出来心でって、今日その男子が謝ってきたの」  ちーちゃんは本をページをめくりながら言った。 「そしたら、クラスの女子も「サイテー」とか「ちーに謝れ」って言ってくれて……、私男子には嫌われてたけど、別に女子には嫌われてなかったんだね」  いや、それ男子にも嫌われて無いだろ。『出来心』っていうのは、ちょっかい掛けたくなっただけで、むしろ好かれていたんだよ、ちーちゃんは。    それからも僕は時々ちーちゃんに会うたびたわいも無い話をした。  それが図書室であったり、廊下ですれ違った際や 帰り道で会っても、僕は君に会えるだけで嬉しかったんだ。
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