馬鹿がいる

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 そんな日常の続く中、ある日の放課後のことだった。  僕は見知らぬ男子生徒に呼び止められた。 「おい、お前さあ」  僕をお前呼ばわりする失礼なそいつは、聞くところによると、ちーちゃんを探しているようだった。 「知らないよ」  彼女が今日も僕を待って図書室にいるなんて、知らない。 「そうかよ。じゃあ、あいつに伝えといてくんね?」  失礼の国から来たそいつは僕にある言付けをしたのだが、僕はそれを遂行することはなかった。  
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