馬鹿がいる

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  ――放課後、僕がちーちゃんの教室に言ったことは言うほどのことでもない。  教室にちーちゃんが居ないことを見計らって突っ込んでいったことも、  僕が石原らしき失礼野郎の胸ぐらを掴んだことも、  その後廊下に追いやって、二人で話したことも言うまでもない。 「ごめん」  そいつは大方の事情はわかっていたらしく単刀直入に謝られた。    が、それで許してやる気にはなれなかった。 「それはちーちゃんに言って来い……いや、やっぱり言うな。今近づくとまた殴られるぞ」 「ごめん」  そいつは謝るだけで何も言ってこない。  縮こまって、何も言い返して来ない。    でもって、やっと喋ったかと思ったら。   僕にろくでもないことを聞いてきたのだ。 「なあ、お前なんて名前だ」  はあ? 「俺は石原智雪って言ってさ」  そいつは自分の名を告げた。ばかみたいにへらへら笑いながらそういったのだ。  それをきいてボクは憤慨した 「――お前、学習しろよ」  まだ何も分かってないのかよ。 「は?」  石原の疑問符は聞いてきて、反吐が出そうだった。
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