おやすみ

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「もう私達だけなんだよね」 少女は猫を抱えながら言う。 少女の言葉に俺も頷く。 「どちらかが死んだらゲームも終わりだな」 「私達は殺しあわないけどね」 「次のゲームも行われないだろうし」 俺と少女は犠牲を払いながらもこの殺し合いゲームで最終ステージまで辿り着いた。 運営が俺たちに提示したミッションは片方を殺すこと。 「アイス、食うか?」 差し出したアイスが猫に垂れる。 「ふわあ!?」 猫は少女の腕から飛び出してしまった。 「あー、びっくりした」 「ごめんごめん」 空いた手で謝る。彼女は「えいっ」とチョップして許してくれた。 おいしそうに頬張る少女を見ていると抱きしめたくなる。 それをぐっと抑える。 時間はない。 薬の効果はばっちりのようだ。 少女におやすみを告げる。
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