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フーセンガム
「おーい、キツネ。今日も買ってきたぞー」
英治は買い物袋を持って腰掛ける。
そこにはきつねのお面を被った
妖怪のキツネが退屈そうにゴロゴロしていた。
「今日は何を買ってきたのだ?」
「今日も駄菓子だ」
「エイジも飽きないのう」
呆れるキツネを尻目に、英治は袋からフーセンガムを取り出し
一つクチャクチャと噛み始めた。
「ん、何を噛んでおるのだ? くちゃらーは嫌われるぞ」
「これはこんな……駄菓子なんだ……」
と言うと英治はフーセンガムを膨らませた。
「なななななんだこれは!!!
妖術か、妖術なのか!?」
「ちげぇよ。ほら、風船膨らませる様に息を出すんだ」
英治はガムを一つ渡した。
早速、キツネは頬張り顔以上の風船を作り上げた。
「んー! んふんふふー!! ……ん゛!?」
得意げな表情を見せた次の瞬間、
巨大な風船は爆散しキツネの顔を包み込んだ。
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