告白、相対、新しい日常

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「はぁ、はぁ」  気が付けば駅にいた。人の往来が多いここならもしかしたらと思ったがそんなことはなかった。 「思い出の場所……鈴と行った場所を全部思い出すんだ僕」  ベンチに腰を下ろし痛いくらいにこめかみを指で押しながら考えた。 「なぁなぁ、さっきの子かわいかったよな?」  聞こえてくる若い声。人が悩んでるのに楽しそうでうざったかった。 「かわいかったけどやめとけやめとけ、あんなに小さい子は犯罪だぞ」 「くぅーあと十年したら美人になるんだろうなー惜しいことをしたよ」 「美人になるかもしれないけど、でもどこか近寄りがたい雰囲気あったよな」 「あ、それ!確かにずっと夕陽を見ながら胸の前で手を組んでたもんな。最初はお祈りでもしてるのかと思ったよ!」  そんな会話を聞き流しているとある少女の顔が思い浮かんできた。 「あ、あの!」 「ん?」  呼び止められた男達は振り返りながら立ち止まった。 「その女の子どこにいるか教えて貰えませんか?」 「んーいいけど、ナンパならムダだと思うよ。ガード固そうだし」 「探してる妹かもしれないんです」 「そりゃあ大変だ。駅の反対側のデパートわかる?」 「はい」 「そこの屋上にいるから早く行ってやれ」 「ありがとうございます!」  短く礼を告げ全力で走った。残り時間はあまりない。焦りは禁物だと言うが焦らないわけにはいかない。後悔だけはしたくないから。
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