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「僕は鈴のまっすぐな心に惹かれたんです」
「まっすぐな心か……ちぇー未発達なロリロリボディって言ったらまだ私にもつけ入る隙があったのに」
「桃ちゃんってばつけ入るのに真剣だったんですね、なんかマジメに答えて損しました」
「お姉ちゃんもまっすぐな心持ってるよ。どう?」
「姉さんのは欲望にまっすぐな心です。そういうのは違います」
「それじゃあ英理子行きなさい!」
「はぁ!?私はい、いいわよ!」
「はっ、英理子なんてまっすぐ所かツンデレのせいでグニャグニャですよ」
「ん。あったまきた」
それまで顔を赤くしていた英理子は拳を握りしめ無表情になった。
「あ、待って。冗談、ウソだから……ウソです!ウソですからぁぁぁぁ!」
鈍い音がひとつ聞こえる平和な朝だった。
「痛い、痛すぎる。鈴、頭割れてないですか?」
「いつも……どおり」
「そうですか。ねぇ、膝枕してくれませんか?」
「でも……ここ……リビング」
「恥ずかしいですか。それなら仕方ないですね……仕方ないですよねーはぁー膝枕なぁー」
「……鈴の……へやなら」
「え?」
「……へや……なら……いぃ」
手をもじもじさせながら消え入りそうな声で呟く。
「本当ですか!?それならすぐ行きましょう!今行きましょう!速攻で行きましょう!」
頭が痛いのも忘れ鈴の手を取って自室へと向かった。
「それでは準備をお願いします」
「う……ん」
二人っきりでも恥ずかしいのか、もじもじしながらゆっくりと膝を折ってこっちを見上げてきた。
「どう……ぞ」
リンゴの様に顔を真っ赤にした鈴の目尻にはうっすら涙が浮かんで見える。きっととても恥ずかしいのだろう。それでも目の前にある至福に抗うことは出来なかった。
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