幼き日

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あの日初めて大人の非常さを知った気がする。泣いている私には感心などなかったのだろう。まだ5~6才だった私の目には、父に連れ出され裂けた服を着ているただの見せ物~笑い者に過ぎない、としか思えなかったのだ。心を閉ざし始めた… それまで、近所の子供達としか遊んだことのなかった私が、小学一年生になる日が来た!自分の名前だけは書けるようにと姉達が教えてくれた事を覚えている。いざ入学式へ…隣に住む同い年?の我儘女も一緒だ…後から聞いた話では、本来私よりも1学年上のはず。同級生がいないから後らせたらしい…いい迷惑だ!登下校中何かにつけて喧嘩腰だし思い通りにならないと癇癪をおこしていた。そんな彼女も、見た目は可愛い部類に入るらしく、男女問わず好かれていたと思う。本人も気付いていたはずだ! あの立ち居振舞い、笑いかた、いつもと違うから私にはバレバレ… あの頃は、それぞれ地区ごとにグループができていた。ガキ大将グループが2つそれぞれに5人程の手下、言葉攻めしてくる女グループ10人弱、そしてどこにも入らず自分だけの世界にいる奴… 当然、些細な事から始まる…イジメ開催… 初めての集団生活に馴染めず、人見知りしている子ってどこにでもいると思う。当の私が見ても、あと2~3人いたかな?入学式当日は、親も一緒に教室いた為か私もそう気に止めず、ドキドキしながらも僅かにワクワクしていた。次の日、重いランドセル背負い、約4キロの峠道を1時間半かけて小学校へ!教室に入った途端、誰かとぶつかった… 昨日出会ったばかりの同級生なのだが、いきなり怒鳴られた… 男1「お前がそこいるからだろっ!どけよっ!」 男2「あー、こいつ○○地区の奴だ!」 男1「なんだあそこか?あはは…○○~○○~!」 (超田舎の田舎、前は海後ろは山、どっかの歌詞にあるような、家が数件しかないとこで育ちはしたが、まさかのそこ?) 地区の名前連呼してバカにしてきた男子数人に、何も言い返せず恐くて泣いた。周りを見ても助けてくれるどころか、泣いている私を見て笑っている。同じ地区の奴もう一人いるぞ! ん?なんであいつそのグループにいるんだ?なんで一緒に笑っていられるんだ? 言葉を返す事が出来ず怯え泣いたことが、ガキ大将共のからかいの的になったようだ。
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