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おばちゃんは、どんどん距離を詰める私をニコニコ見ている。小型犬のゲンはアレ、の最中……。
「ハァ、ハァ……」
おばちゃん達のすぐ傍まで来た時、止まろうか、このまま行こうかと少し迷った。一人っ子の私は近くに同じ年頃の子供がいない事もあり、よくお向かいさん家に遊びに行っていた。ゲンは友達だ。
そんな小さい葛藤の間に、私はスピードも緩めず二人の真横を通りすぎてしまった。
その瞬間チラッと見えたゲンは、何事?と怯えた表情で腰を引いて固まっている。初めて見るゲンの様子はちょっとショックだった。
ん?何か忘れている気がする…。でも思い出せない。私は思いつかないまま夢中で走った。
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