アルバイトと監督

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アルバイトと監督

「おい!!此方に資材運べっ!」 「はい!」 只今、アルバイト絶賛セール中の僕……既に腰にガタがきております(キリッ いや、マジで痛い。 「お前此方に来い!」 「只今!!」 かと言ってサボっても良い仕事じゃない。 「よしっ、んじゃ昼飯にすっか!」 待ってました!この時間は僕の至福の昼休憩なのだ。誰にも邪魔はさせない? 「ん?お前好きだな?鳳監督の作品」 「そう言やお前が鳳監督の専属スタッフ希望 したのって作品が絡んでたな(笑」 勿の論だっ!!なんたって何時もアウトローの世界観は斜め上に行く程面白くて、人間ドラマなのだ。 僕はそこに惚れて早15年…長かったこの道程。 思えば小6の時初めて目にしたあの高揚感…………… 騒ぎすぎて母ちゃんに拳骨を食らって気絶してたっけ……………。 「俺、後で監督と話すからお前の事もアピール してやろうか?」 「いえ……良いんです…多分気絶するんで」 この距離感が心地良いのだ…一定の距離を保ってないと何を仕出かすか分からない…僕が。 「けど監督も喜ぶだろうよ…お前みたいな一途な ファンがいてくれて」 「イタイ、ストーカーみたいになるなよ(笑」 「はい……気を付けます!」 僕は片手に持っていた携帯を鞄の中に入れる……… 携帯画面は“鳳監督!新たな挑戦か!?”と言うネットニュースのままで。
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