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常連客同士が仲良しとは限らない。
前述の吸血鬼ミハイと、非常に仲の悪い種族の常連もいる。
その種族とは、狼男。
名前は木戸。
店主の祖母が昔から懇意にしている大工の棟梁の元で、大工をしている。
見習いから昇格したが、仲間内では相変わらず一番下っぱ扱いをされている。
本人曰く狼男なのだそうだが、この国で生まれ育ち、本当は犬神なのか本物の狼男なのかイマイチ自分でもわかっていない。
冬はTシャツ、それ以外の季節はタンクトップ姿で過ごしている。
好物は肉で、なるべく生、もしくは半生。
大工の棟梁曰く、「手先はあまり器用じゃない」「ありゃあ、少しバカだな」だそうである。
さっぱりした気性で、そのストレートな発言力は、時として仇敵や他の客たちの脱力も誘うほどだが、本人はいたって悪気はない。
最近、人間のガールフレンドができたが、素直でけなげなその少女の後ろ楯に吸血鬼の一人がついていることが、なかなかに不満である。
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