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そんな、可愛いげのなかった俺と違い、素直で人懐っこい木戸は嫌われる要素なんてないはずなんだが。
その後は、木戸の食欲が戻ったので、俺も安心した。
翌日。
買い出しといえば、近所の星裏銀座商店街。
そこで、ばったり棟梁と出会った。
「よう、ぼうず。元気してたかい。」
「ご無沙汰してます、棟梁。」
祖母と仲がよかった棟梁は、若いころはお金に困るたびに祖母ちゃんの世話になっていたらしい。
祖母ちゃんの仕事は、質屋。
ようするに、金貸しだ。
そのことで、親父は子供の頃からずいぶんからかわれて、祖母ちゃんの職業を嫌ったらしいが、そんなもの俺は平気だった。
祖母ちゃん大好きな祖母ちゃん子だったからな。
豪胆で人情に厚かった祖母ちゃんを慕う人たちは、今でも俺の貴重な人間の知り合いだ。
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