二夜

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「あーもー!のろい!俺、暴れそう!!」 職場でもからかわれて不貞腐れモードで来店していた木戸が、遂に堪えきれなくなって爆発した。 亀野さんのゆっくりマイペースな口調が、たまらなくイライラするのだろう。 「木戸さん。抑えて。亀野さんは、悪気があってゆっくり話してらっしゃるわけじゃないですから。」 「はーいー。これがー、私ーのーペースなんでーすー。」 「だからな!!そのペース!!」 木戸が、空になったグラスを、がんがん!とカウンターに叩きつけた。 亀野さんに殴りかからない分よく我慢しているんだろうが、グラスが割れる!カウンターに傷がつく。 「えーとー、速いーペースにーするーこともーできまーすがー・・・私らしさーがーなくなりーますー。いーいーですーかー。」 うん?亀らしさがなくなるって?
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