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すっかり毒気を抜かれたミハイさんが、自分の席に座り直し。
俺は、木戸の前に焼き鳥20本と牛肉のたたきを出した。
その間に、木戸の訴えを聞いた亀野さんが、うんうんと頷きながら、慰める。
「まーあ、長ーく生きーてーるとー、そーゆーことーもーありーますーねえー。でーもー、兄さんのー持ち味はーなくしーちゃーいけまーせーんよー。」
「俺の持ち味・・・?」
「ゆーっくりーでもー、丁寧ーにーお仕事ーするー、そーれはー大事なーこーとーでーす。」
あまりに時間がかかるので、俺の言葉でまとめさせてもらうと、ようするに。
話を聞くところによると、力仕事ばかりが得意で細かい作業が同僚より遅いらしいが、雑なばかりの力自慢よりよほどいい、と。
木戸の誠実さや真面目な面は、きっと棟梁が見ていてくれるし、丁寧に仕事をこなしていくうちに技術も向上していくだろうから、今は我慢の時だと。
これを20分以上かけて諭されている間中、木戸は床にへたりこんだまま、おとなしく亀野さんの話を聞いていた。
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