二夜

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さて、ビールと付きだししかお出ししていなかったんだが。 「何をお作りしましょう。お好みのものをおっしゃっていただければ、なるべくそのようにお作りしますが。」 「はあ・・・」 亀野さんは、店内を見回した。 メニューらしきものは、ほとんどない。 定番の「だし巻き玉子」や「糠漬け」などが、俺のあまり上手くない手書きの字で貼られているくらいだ。 「僕はー、野菜ーでーすーねー。」 うん?野菜? 亀って水辺にいるんじゃあ・・・ 「私ーはー元がーリークーガーメーなのでー、草食なーんでーす。」 ・・・そりゃあそうか。 兎とかけっこしたんだから、陸地なわけだし、まかりまちがっても海亀じゃあないだろう。 そうか、野菜・・・野菜・・・もう少し限定してくれないかな。
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