二夜

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もう半分の千切り人参に塩を振ってしんなりするのを待つ。 その間に、胡桃を用意し、フライパンでから炒りしておく。 その間に、亀野さんと主に木戸が話しているのが聞こえる。 「なーなー、どうしてここに来たんだよ。」 「こーちらーのー、自治ー会長ーさんーにー用事ーがーありーまーしてー。」 ああ、そういえば、近くの地域の副自治会長・・・人間社会に混じって、しかもそんなものになっているなんて。 亀が自治会の副会長をしている地域の皆さん、できれば気づかない方が。 そう、お互いのため。 「ゆーっくーりー歩いてーまーしーたーらー、暗くーなってーきーてー、こちーらのー灯りーがー。」 何時から歩いていたんだ、亀野さん。 自治会の仕事、大丈夫か。 ああ、でも、急ぐときはさっき木戸を叱ったときみたいにちゃっきちゃきになるのか。 なんて両極端な!
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