二夜

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次に、人参のサラダを一口。 「甘めーでー、くるーみーが香ばしいーでーすーねー。」 しんなりしたとはいえ、それなりに歯応えがある人参。 胡桃は好みでいいと思うし、ゴマを使えばゴマ和えにも出来るんだが、ナムルがゴマ油を使っているので、少しアレンジしてみた。 「どちーらーもー、結構でーすー。ありーがーとーうごさーいーますー。」 合格が出たので、俺は使い捨ての容器にナムルとサラダを別々に詰めた。 代金を払って、亀野さんが帰ろうとすると、木戸が立ち上がって亀野さんの手を握り、ぶんぶん振った。 「ありがとう!亀野さん!俺、明日からも頑張ってのろく仕事をするよ!」 だから待て、木戸。 亀野さんが言いたかったことは、そうじゃないってわかれ! 「阿呆か、こいつは・・・。明日も兄弟子とやらに馬鹿にされてしまえ。」 ミハイさんの情けなさそうな表情に、俺はおもわず頷きかけて、慌てて首を振った。 危ない危ない。
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