二夜

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亀野さんの分のビール代は、木戸がどうしても払うというので、料理代だけ受け取ってそのまま見送らせてもらったが。 大丈夫なんだろうな。 「大丈夫!俺、明日からまたばりばり働くから!堂々とのろく仕事するから!」 「ダメだ・・・この駄犬、首になる。」 「木戸さん・・・わざとゆっくり仕事しないでくださいね。」 「?」 明日の朝、寝る前に棟梁に電話しておこう。 木戸がもしかしたらいつも以上にのろくなるかもって。 翌日、来店した木戸が、「亀野さんに言われた通りにゆっくり仕事してたら、棟梁に煙管でひっぱたかれた」とむくれていた。 それでも、ここ数日に比べて元気そうなので安心したが。 本日、これにて閉店。
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