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「っていうか、ああ、そっか……よくよく考えたらさ、クラスメイトの反応は当たり前な話なのかもしれないや」
クラスメイトの全員から拍手喝采を浴びつつ、まだ教卓で仁王立ちしている河鹿薫子、
「みんな、分かってくれて、ありがとう!! あたし、とっても嬉しいし、とっても幸せいっぱいだわ!!」
なんて、クラスメイト全員の反応を見渡しながら、彼女はご満悦の笑顔で、再びクラスメイト全員に向けて大声を張り上げたのだった。
――何で当たり前かって言うとさ、おるこちゃんはクラスメイト全員のアイドルだし……
しかも、この河鹿薫子、彼女を一目でも見たなら、実は、その誰しもが驚く程に絶世の美少女だったりする。
――さらにはさ、おるこちゃんの明朗活発で実直な性格も、おるこちゃんの容姿に勝るとも劣らないくらいにメチャクチャ魅力的で魅惑的とか……
「おるこちゃんを知る人々は皆、まるで口を合わせたがごとくに雁首を揃えて言ってるし」
――いやはや、何を隠そう、その河鹿薫子のカリスマ性が炸裂した魅力たるや……
クラスメイト全員どころか、我が校の全校生徒が彼女をアイドル扱いしてしまっている凄まじさだったりもする。
――そんなおるこちゃんだからさ、我が校のアイドルだと、我が校の全校生徒の誰もが認めちゃってる位に……
「シコタマのこと、スコブルをも、この上なく激しい神憑り炸裂なアイドルっぷりだったりするみたいな」
さらに加えて、河鹿薫子は演劇部の部長であり、演劇関係の大会だか何だかで、彼女の演技たるや、我が県内はおろか、関東一円の演劇関係者たちから絶賛を独り占めにするくらいの才能を持っていたりもするとか。
――言うなればさ、将来は天才的な大女優になるだろうという折り紙付きの、その関係業界の有名人というオマケ付きっていう、もう、とんでもない位のアイドルっぷりだったりもするおるこちゃんみたいな……
「いやはや、まだ13歳の中学2年生だってのにさ、劇団とか芸能プロダクションとか、おるこちゃんを青田買いに来ることシバシバだし」
気がつけば、まだまだ拍手喝采が続いている我がクラスの教室内で、スタンディングオベーションをしているクラスメイトの全ては、相も変わらずカリスマ的な迫力を炸裂させながら教壇に仁王立ちする河鹿薫子に釘付けになっている。
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