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そんな中、突拍子もなく、河鹿薫子は、
「はい、はい、はい!! ガンジー先生、ガンジー先生!! 席替えをやりましょう!! 今すぐ、席替えをやりましょう!!」
と、我らが担任のガンジーに向かって大きな声で発言をしたのだった。
――そして、河鹿薫子の発言が終わるや否や、ガンジーの発言を待たずに、ウチのクラスメイト達、そのほとんどが……
「席替え、賛成ぇーでぇーす!」
――なんて、賛同の歓声を教室中に響かせていたりしたりして……
「あ? 席替えか? お前ら、何でイキナリ席替えなんだ?」
――ありゃま……ガンジーせんせ、『なぜ今席替したいんだか意味ワカラン』って言いたげなハテナ顔になっちゃってさ、何だか首を傾げ始めちゃったし……
「うーん……久しぶりだから、まあ、今席替えするのもイイかもな。幸いにして、ウチのクラスの一時間目は裁量の時間だしな」
――え? ガンジーせんせ、急にニコヤカで屈託ない笑顔になったし……
「まあ、そうだなぁ……たまには席替えでもしてみるか?」
――おやおや、アッサリと席替え提案を快諾しちゃったし……
「ばんざぁーい!! やったぁー!!」
――って、おいおい……クラス全員が万歳するような話なのかいな、これってばさ?
再び異様に盛り上がるクラスメイトたちを、基本的に根暗なボクは、何となく冷ややかに見てしまっていた。
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