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――ちなみにね、今しがたガンジーが言った裁量の時間っていうのは……
ある特定の教科を学ばされる時間枠とは違い、いわゆる、ゆとり教育なんて呼ばれていたアレの後遺症的な、時間割に何の教科も配置できなかった空白の時間枠のことだったりする。
――その空白の時間枠に『無理矢理ハメコミ合成されたロングホームルーム』みたいなモノ、それをね、『裁量の時間』なんて呼んだりしている我が中学校みたいなアレなんだよ……
さらにちなむと、この裁量の時間、これは担任の裁量で自由に使える時間だったりもする。
――というわけでさ、学級委員長と副委員長と、それに書記達がセッセとね、席替え用に即席の三角クジを作ったんだけど……
その出来上がった三角クジは、ボクたちの教室の片隅に何となく在った、スコブル適当な菓子折の様相をした紙製の箱にゴソっと入れられたのだった。
――んでね、一人ずつクジ引きをして、引いたクジに書いてある席へ席替えをするみたいな……
そう、いかにも在りがちな方法での席替えが始まったのだった。
――よっしゃ! 一番後ろの席ゲット! しかもさ、窓際ゲットだし!
ボクはクジで、ある意味、とても素晴らしく絶好のポジションである席を引き当てていた。
――ちなみにさ、ウチのクラスってさ、学級委員達が雑用係にされちゃうクラスでさ……
「ねぇ、ねぇ、秋ちゃん? どこ何処ドコ?」
――メンドクサイことは全て学級委員達にやらせとけみたいなクラスなんだよ……
「へ? おるこちゃん?」
「ねぇ、ねぇ、どの席のクジ引き当てたの?」
「あっ! ちょっと、おるこちゃん……」
「んもう!! 早く見せてってば!!」
「うーわ! おるこちゃん! いきなり何すんのさ!」
河鹿薫子、ボクが引いて手に持つクジを強引に奪い取ると、彼女はそのクジに書かれた新しいボクの席の位置を手早く確認している様子だった。
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