一人の雛鳥の詩

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ー 成田空港 ー 管制塔からの指示を聞いて、ボクは自分が操縦する飛行機を空港の片隅に着陸させた。 そして、ポケットの中のスマートフォンが、着信音を鳴らした。 「お帰りなさい。 征人くん」 「ただいま戻りました。 先生」 電話に出て、コックピットから外を見ると、ボクの乗る飛行機「ファウラ」を設計した技術者「時田 和平(ときた かずひら)」先生が居た。 「ぼくの飛行機。 どうだった?」 「快適でしたよ。 大きなトラブルも無かったですし」 「撃墜されたって連絡を聞いた時は、すごい驚いたけどね」 「なんとか修理しました。 けど、メンテナンスはしておいたほうが良いと思います」 「じゃあ、データの吸い出しとメンテの手続きはこっちでやるから、征人くんはゆっくり休んで」 「わかりました」 そう言ってボクは電話を切り、ファウラから降りた。
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