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「三浦先生、推薦については、その全てをあなたに任せて宜しいですかな?」
――もしかして、大人の世界にありがちな策略みたいなアレとか?
「はい、教頭、何も問題はありません」
――は? ガンジーせんせ? 教頭せんせにシレーっと『問題ありません』とか言ってくれちゃってるし……
「それなら話は早いですね。三浦先生にお任せしますので、後の首尾は宜しくお願いします」
――え? え? え? 何がどうなっちゃってんの?
「はい、学年主任、お任せください」
――って、ガンジーせんせ、ちょっと待って!! ボクの意思は? 張本人の意思は?
何が何だかサッパリ解らないまま、そこまで話を勝手に進められたと思ったら、
「では、浅間君、是が非におきましても、必ずや……必ず生徒会長に当選してください」
なんて宣いつつ、教頭は意味不明な笑顔でボクを生徒指導室から追い払うような仕草をし始めたのだった。
「え? いや……あの……」
――生徒会長とか生徒会役員とか、普通、優等生がやるもんじゃないの?
「浅間君、何をしているのです? もう帰ってよろしい」
――いや、だから、教頭せんせ、ちゃんと説明してくんなきゃだし!
「浅間君、放課後だというのに時間を取らせてすまなかったね。さあ、用事は済んだから、もう帰りなさい」
――うーわ! 学年主任! だから、ちゃんと説明してよ!
「浅間、お前な、たまには人生に勝て」
――三浦先生っていうか、ガンジー!! その発言の意味、全然ワカンナイし!!
とにもかくにも、いつまでも生徒指導室から退出しようとしないボクだったりする。
――だってさ、訳ワカンナイまんま……このまんま退室できるわきゃないし! ボクの進退、勝手に決められちゃ堪んないし!
「話は終わりました。さあ、早く帰りなさい」
学年主任は出入口扉の引き戸を開けると、ボクの背を軽く押して強制的に廊下へと退出させたのだった。
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