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「おるこちゃん? だから、ボクは何を自覚しなくちゃなの?」
――っていうか……おるこちゃん、恥ずかしいし……
「おかえり! 浅間君!」
――クラスメイト達の前で抱きつかないでよ……
「我等のアイドル浅間秋、必勝! 生徒会長! 絶対に当選できるようにクラス一丸になって頑張ろうぜ!!」
――しかも、ボクの背中におるこちゃんは顔を隠してズルイよ……
「ラブラブのアイドルコンビ、うらやましいー!」
――ボクだけみんなから顔を見られてハズイし……
「河鹿さんに続く、新たなスター誕生目指すぜ!」
――っていうかさ、クラスメイトのみんな、何だって勝手に盛り上がっちゃってんだか……
はたまた、クラスメイト達の異様な盛り上がりの意味が、皆目のこと、どうしても見当もつかないボクだったりする。
――っていうか、ボクがアイドル? イジメられっ子のボクがアイドル? はてな? はてな? どうして? 何で?
「キスしろ! キスしろぉー!」
「河鹿さん、ほら、推薦者は誓いのキスしなきゃ」
「そうよ、河鹿さん。未来の旦那様にキスキス、早く早く!」
――うげっ! 何だか訳ワカンナイこと宣っちゃってるクラスメイト達だし! どいつもこいつも、みぃーんな、揃いも揃ってパカタリなのかいな?
なんて、冷ややかにクラスメイト達を見渡すボクだったが、そんなボクの態度なんてお構いなしに、河鹿薫子はボクの背後から彼女の両手を妖しくボクの顔へ回すや否や、半ば強制的にボクの顔を左に向けた。
――うわ! おるこちゃん、真っ赤に染めた顔をボクの背後から近づけてきたし!
そして、河鹿薫子はクラスメイトが注目する中、何の躊躇もなくボクの唇を塞いでくれたのだった。
――アンビリバぶべぼぉー!! おるこちゃん!? 何をしてくれちゃってるのさ!!
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