story 4

37/37
10406人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
なんて広いリビングなのか。 入ってすぐ開けた部屋にビックリした。 向こうは一面、窓、窓、窓で どんだけカーテン使うんだ、って言うくらいの一面窓。 オープンなキッチンは料理教室でも開けそうなほど立派。 「贅沢だァ……」 「確かにな」 謙遜すらしないで、この凄さを認めちゃうあたり、やっぱり法律関係って儲かるんだ。 「美隼、もう風呂はいって寝ろ」 リビングの奥に消えていた高峰さんが ミネラルウォーターを2本持って戻ってきて 「風呂はそっち出てすぐ右」 1本をテーブルに置き 1本を開けて喉に流し込んだ。 上下する喉仏に男を感じる。 これは、男ホルのなせる技じゃないだろうな。 やっぱりね モノホンだったか おちんちん 上手く纏めてみてから高峰さんに潔く伺ってみた。 「ねぇ、高峰さん。 高峰さんのおチンチン様は、本物?」 窓の向こうに暗い森が見えた。 昼間の景色は緑豊かな健全なものなんだろうか。 「それとも 造りモノ?」 そこだけちゃんと教えて。 全部の話をするのは明日でいいから 今日はそこだけ ちゃんと聞かせて。 ペットボトルがベコリと音をたてた。 高峰さんは男か、女か。 瞬きもせずに、 ペットボトルを持ったゴツゴツとした手を透かして 綺麗な顔をずっと見ていた。 微かに笑ったのも分かるくらい。 音も出さずに笑って 「俺は、ずーっと、男だよ」 わたしに微笑みかけるのは わたしを何度も騙して わたしのことを一番理解してくれている 男 だった。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!