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「秋ちゃん? ぬか床に浸かってるタクワンも切っとく?」
――おるこちゃん、沢庵をタクワンって発音してるし……おるこちゃん、意外と古風な大和撫子みたいな……
「ってかさ、おるこちゃんって凄いよね」
「え? 秋ちゃん? あたしがスゴイって、何が?」
そのアトリエでボクは好きな様に作品を作っていたりする。
――あのね、実はね、絵の具ってさ、生活する家の中にあると臭くてたまらないんだよ……
「いや、だって、手を洗ってもさ、しばらくは臭い取れないのにさ……」
――水彩絵の具なら臭わないけれど、アクリル絵の具とか、油絵の具とか……
「取れないって、もしかして、ぬか味噌のニオイのこと?」
――それに、アクリル絵の具や油絵の具を溶かす有機溶剤とか……
「うん、ぬかの臭いってさ、石鹸で手を洗っても易々とは落ちないもんだし……」
――石油系の画材達の臭い、慣れない人が長時間かいでいたなら、もう、間違いなく吐いちゃうかもだし……
「うふふ……あたし平気よ。だって、あたし、ダイワナデコだもん」
「おるこちゃん、おるこちゃん……それ、ヤマトナデシコだし。ダイワナデコじゃ、どっかの金融会社だか証券会社だかの記入見本みたいだし」
「あはは! あたし、ちょっとボケかましてみただけだもん」
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