第1章

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「どうした?捨てられた子犬みたいな目をして、俺に拾って欲しいのか?」 座っていた湊と目を合わす様に座り、頭を撫でながら笑ってそう言った。 「・・・僕は・・そんな顔・・・してた?」 「顔というより目だな。初めて來人と会った時の目と似てた。不安、哀しみを隠してるけど、寂しさが漏れてる・・・お前は相方とか居ないのか?」 「・・・居た・・はずだった・・・」 少し目を伏せて遠く懐かしむ感じの表情に、俺は昔の自分を見た。 「どういう事だ?別れたとか?」 「・・・記憶・・・ない・・・」 普通の別れ話かと思ったのに、違う方向からのパンチを喰らって焦った。 「はっ?記憶喪失なのか?えっ?ちょっと待って・・・來人!」 「どうしたの?神代さん・・・湊君?」 「こいつ記憶喪失なのか?」 「そうだよ♪部分的だけどね。サヤちゃんが教えてくれて、今一緒に居るんだ」 あの先生かぁ・・・來人なら大丈夫って任せたな? 「中司先生ね。何か納得した・・・って事は俺の家に拾って帰って良いわけだ!」 「・・・言い方はアレだけど、まぁ神代さんだし・・・えっと・・湊君どうかな?僕達の家に来ない?」 .
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