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「どうした?捨てられた子犬みたいな目をして、俺に拾って欲しいのか?」
座っていた湊と目を合わす様に座り、頭を撫でながら笑ってそう言った。
「・・・僕は・・そんな顔・・・してた?」
「顔というより目だな。初めて來人と会った時の目と似てた。不安、哀しみを隠してるけど、寂しさが漏れてる・・・お前は相方とか居ないのか?」
「・・・居た・・はずだった・・・」
少し目を伏せて遠く懐かしむ感じの表情に、俺は昔の自分を見た。
「どういう事だ?別れたとか?」
「・・・記憶・・・ない・・・」
普通の別れ話かと思ったのに、違う方向からのパンチを喰らって焦った。
「はっ?記憶喪失なのか?えっ?ちょっと待って・・・來人!」
「どうしたの?神代さん・・・湊君?」
「こいつ記憶喪失なのか?」
「そうだよ♪部分的だけどね。サヤちゃんが教えてくれて、今一緒に居るんだ」
あの先生かぁ・・・來人なら大丈夫って任せたな?
「中司先生ね。何か納得した・・・って事は俺の家に拾って帰って良いわけだ!」
「・・・言い方はアレだけど、まぁ神代さんだし・・・えっと・・湊君どうかな?僕達の家に来ない?」
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