第1章

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深稜が帰った後、僕たちは僕の記憶について話始めた。 何処まで思い出して、誰が判って、何を思い出していないのか。 断片的ではあるけど大体は思い出していた。 でも、何故か深稜の事だけが靄がかかったように思い出すことはできなかった。 「湊、無理に思い出さなくていいから。ただ、朔君と本当に仲が良かったのは覚えていてね」 「湊兄、朔さんには家族の僕らより心を許していたと思うよ」 「・・・分かった・・・」 僕は思い出す時の頭痛を表には出さず、無表情で頷いた。 深稜が柊君と呼ぶ度にツキンと胸が痛む・・・笑顔を見ると鼓動が少し早くなる。 僕の心は何時の間にこんなに動くようになったのだろう。 そして、ここまで動かす深稜は僕とどれ程仲が良かったのか・・・ .
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