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傭兵である自分たちには、決してあり得ない意見。
他の仲間たちなら、笑って相手にもしないような話だろう。
だがスバルは、話に乗っていった。
アレは――底冷えのする笑みを浮かべ、
「ありますよ、それは。剣で刺し殺すのなんて、野蛮じゃないですか? どうせ死ぬなら――相手も気づかないくらいに、そっ、と殺してあげるのが、優しさでではないですか?」
「ほぅ……それが神の思し召し、ってやつかい?」
「そうです。それを私は、行使する者です」
「まるで嬢ちゃん、自分が天使さまみたいな言い方するなァ」
「――――」
その言葉に、アレは答えなかった。
ただ妖艶に微笑み、そしてそのままベッドに横になった。
毛布をかけず、無防備な美しい肢体をさらして。
その挑発的な態度にスバルは目を細め、
「……もう、眠いのかな嬢ちゃん?」
「今夜は、月が綺麗ですね」
さっきと言動が、180°変わっている。
それに背中に、そら寒いモノを感じる。
「ああ、世界が食べられていく……あなたも、どうか安らかに」
この子は――
「お……おっさ……」
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