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「…………」
しばらく考え、ベトは山を下りる足を止め、祈りを捧げた。
目を閉じ、手を合わせる。
それ以上所作を、ベトは知らなかった。
今度神父に正式に習ってみるかなどと、ベトは考えていた。
エルシナに行く理由が増えるのは嬉しかった。
なんでも用事は、まとめて済ませるに限る。
早朝の山の空気ほど、澄み渡っているものはなかった。
一呼吸ごとに、白く自己主張する。
そして生命の躍動が、胸を叩く。
夜とはまったく姿を変える。まるで、
――わたしたちは、死んだ世界の次の日神からの日差しという光により、再生します。
だからみんな、死んで生まれ変わってるんです。
「……どうかしてるな」
彼女の言葉の意味を、こうして実感するなんて。
だけど一概には言えないか、とベトは足元のつるを愛剣で薙ぎ払いながら進む。
毎晩自分たちが死んでいる、という言葉は笑い飛ばしたかったが出来なかったというか、正直言葉に出来ないような想いを自分に与えていた。
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