第1章

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 ぼんやりお日様を眺めていたら、声をかけられた。  でっぷりした体躯にひかる禿頭、スバルだ。  スバルは初めて会った時から、折りを見て声をかけてきていた。  それは笑顔を見せて、猫なで声で、親しげに。  それがアレには、気が置きにくいものだった。 「…………はぁ」  こっちにきて、三日。  さすがに無視し続けるのも気が引けるので、一応おざなりに申し訳程度な返事をかえす。  それにスバルはお決まりの苦笑いを浮かべ、 「はは……今日は、100回くらいやってたみてぇじゃねぇか? どうだ、剣の感触は?」  くらいというか、きっかりだ。どうやら数えていたらしい。  そういうところも、アレには気が許せない一因に他ならなかった。  それに、剣の感触。 「――重いですね」  それぐらいしかない。  スバルは頬を引き攣らせ、 「そ、そうか。まぁ女子供には扱いにくい武器よなぁ。嬢ちゃんは、あれか? 今までスプーンより重いものは持ったことがないっていう口かい?」 「そうです」  明らかな冗談めいた口調に、アレは即答した。  もったことがない。  事実だから。
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