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「経理の佐川明美(サガワ アケミ)です!宜しくお願いします!!」
気合いを入れまくっているのは最近彼氏と別れたという経理の佐川さんだった。
ばっちりメイクを直し、着替えもオッケー。
私は着替えただけだ。
基本メイク直しとかしない。
そもそもメイク道具を持ち歩くなんて荷物になるだけだし…。
口紅くらいは持ち歩くけど。
小松は、なんだかんだ言って可愛いし女子力もあるのできちんとメイク直ししてるし私服も可愛い。
「粘り営業の林田ですー」
「古株の三浦です。お荷物にならないよう頑張ってます(笑)」
「…冴内(サエウチ)です」
「サイナイ君もうちょっと明るく行こうよー」
「はぁ…」
冴内さんは無口な方で、林田さんはうるさ…いや、賑やかな人だ。
「今日は僕の為にありがとうございます。皆さんの仕事ぶりは伺っています。
林田さん、その粘り強い営業の後もきちんと粘り強く長くお客さんと付き合って行って下さい。
三浦さん、お荷物だなんてとんでもないですよ!三浦さんあってこその昔からの顧客との付き合いがあるんじゃないですか。これからもお願いします。
冴内さん、スタンダードに仕事を取って来てこなすという事は実はとても難しいと思います。誰でも上がり下がりはある中、真っ直ぐである事は評価に値します。これからもお願いします」
金谷課長は長々とそれぞれに語りかける。
林田さんは少し苦い顔をし、三浦さんは照れたように微笑む。
冴内さんは、俯いた。
「あー!冴内さん耳真っ赤!!」
小松が無神経に冴内さんを指差して言う。
あら、ほんと。
耳まで真っ赤。
「あ、の…褒められ慣れてないので…どうしていいか…」
ボソボソと言う。
本当に慣れていないようで首まで真っ赤になってくる。
「ははは。サエナイ君マジ真っ赤(笑)」
林田が…はやし立てる。
なんちゃって。
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