社員№001 桃山素子

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しばらくして私はお手洗いに立った。 飲み過ぎないようにしよう。 でも、晩ごはんを誰かと食べたり飲んだりするのって楽しいんだよなぁ。 家で自炊しても自分しか食べないし適当になるし。 ボンヤリしながら手を洗った後、お手洗いから出た。 「え、冴内さん大丈夫ですか?」 「あ、桃山さん…大丈っヴ」 冴内さんはとっさに口元を手で押さえる。 「ちょ、大丈夫じゃないじゃん!急いで!!」 私は冴内さんの背中を支えながら男子トイレに入った。 よかった誰も居ない!! 個室に冴内さんを押し込んで便座の蓋を開ける。 「ヴォエエエエ」 便座の蓋をあけた直後、冴内さんが勢いよく戻した。 「よし!よく耐えた!!好きなだけ吐いて」 「ず、ずみまぜ…おぇ」 「気にしなくていいから吐いちゃって」 背中をさすって吐かせる。 嘔吐したモノのすえた臭いが鼻をつく。 やばーい貰いゲロしそう(笑) 「おしぼり貰って来るからここに居て下さいね」 「・・・ヴァイ」 無理して喋らなくていいから(笑) 私が男子トイレから出ると人とぶつかった。 「あっ、すみません!」 「え!?桃山さん!?」 ぶつかった拍子によろけた私の両肩を掴んだのは課長。
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