社員№001 桃山素子

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「それで、ご用件はなんでしょうか?怒鳴られる記憶はないのですが」 兀脇と話していると自分までハゲそうになるので手短に願いたい。 決してハゲをディスってるわけではない。 全国のはげわきさんをディスってるわけでもないのでそこの所宜しくお願いします。 「次の会議用の冊子のチェックはしたのか!?誤字だらけだぞ!」 「私の確認印はありましたか?」 だいたいチェックした人は表紙に確認印を押す。 3人ぐらい確認した後本印刷に回す。 「…ない!が、小松はお前の部下だろう!?上司として教育が足らんのじゃないか!?」 「あまり大きな声を出し続けていると血圧が上がりますよ。兀脇係長」 「苗字で呼ぶなと何度も言っているだろう!モブ山!!」 「私は桃山です。脳内の記憶までハゲかかってるんですか?そもそもファーストネームで係長をお呼びするほど親しくもありませんが」 「ぐうう…!修正して再提出だ!!」 バシッと誤字だらけだという会議用の冊子を投げつけられた。 「パワハラですよ」 「手が滑っただけだ!!すまん!!」 こーいう潔く謝る所は好感が持てるんだけどなぁ。 さて。 私は手の中にある冊子の表紙を見た。 『小松 コマツ こまつ』 なんで3種類ものパターンの認め印を持っているのかという所から問い質そうか…!!!
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