社員№001 桃山素子

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「小松さん。聞こえてたと思うけど、どこに行こうとしてるのかな?」 「と、トイレ」 「さっき行ってたでしょ?で、コレの言い訳をまずは聞こうかな。誰にも確認回してないじゃない。認め印3パターンで来るとは思わなかったわ」 「てへっ☆」 小松万梨阿(コマツ マリア)22歳、新卒採用。 仕事にも慣れて来たしエクセルやワードをサラッと使いこなすので書類作成を頼むこと多々あり。 しかし、バカなので漢字間違いや言葉遣いが酷い。 「私が作成したレジュメは?」 レジュメとは、「要旨・要約・摘要・概要・梗概・概論」を記したものだ。 「あー…。コーヒーをこぼしてしまって」 読めなくなったと。 「ならその時に再印刷してくれと言いに来るべきじゃないの?」 「先輩居なかったんでー」 「外回りをする仕事をしているわけでもないんだから、居なくても数分でしょ?」 「その数分で作れちゃうんで」 「仕事が早いのは良いけど、ミスはなくして欲しいわ」 「はーい。今日もハゲ係長とバトってましたね!総務部の名物になってますよぉ」 「はぁ?」 なんだそれは。 赤字で修正を書いた冊子を小松に渡す。
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