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「夏海?
何で泣いてるんだ?」
その時、お兄ちゃんが現れた。
最悪だ。
お兄ちゃんにこんな風に泣いてる所なんて、
絶対に見せたくないのに。
「泣いてないもん!」
そう叫んで、お兄ちゃんの前から走り去ろうとする。
「おい、待てよ。
これから浴衣の着付け母さんにしてもらうんだろ。
母さんが呼んでたぞ。」
浴衣の着付け?
私に1人で花火大会に行けっていうの?
「今日はお前を彼女に紹介するんだから、
綺麗にしないとな。」
私を……彼女に紹介……?
「お兄ちゃん、彼女と2人で花火大会行くんじゃないの?」
「何言ってんだよ。
お前を置いて、花火大会行くわけないだろ。」
そっか……。
そうだよね……。
何だか1人で勘違いして、
泣いていた私がバカみたいだ。
お兄ちゃんは彼女と2人で
花火大会に行くんじゃなくて、
私と彼女とお兄ちゃんの彼女の3人で行くつもりだったんだ。
「そうだよね!
じゃあ浴衣に着替えてくる!」
私はとびきりの笑顔でそう言って、
お母さんの所に向かう。
お兄ちゃんの彼女と会うんだもん。
可愛く浴衣着ないとね!
その後、
お兄ちゃんとお兄ちゃんの彼女と私の3人で行った花火大会はとても楽しかった。
お兄ちゃんの彼女はとてもいい人で、
仲良くなることが出来た。
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