赤城 圭一郎の事件簿 Vol.0 『 警視監 黄道 潤 』

『 彼の日常 』

「「「……え……？」」」
「緊急の時以外には使うなと言っていただろう！？ しかも、よりにもよって今日は総監が来られるというのに…！！ おいっ！ 誰か知っている者はいるかっ？！」

明らか焦り気味の警視。

常に

緊急時の為に置いてある緊急用のヘリコプター。

総監に無断で使用しているということで

どうやら、問題になることを恐れているらしい。

ーーもしかして……警部が言っていた『車を借りていく』…って……？！

「誰だっ？！ そういえば……黄道はどこに行った！？」
「「「……」」」」

皆、ヘリを黙って乗っていったのは黄道だ…という事に気がついている。

しかし

それを言えば

なぜ止めなかったのか…と。今度は自分達に、とばっちりがくる。

これはもう、沈黙を貫くことに徹するしかない。

皆、貝の様に口を閉ざした。