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車は単に白線の上に乗る形で止まっていただけである。
しかし
美沙に言わせれば
「線が引いてあれば、きちんと線の中に入れることは当たり前です。守れない輩には、それ相当の刑罰を……」
そんな美沙を彼は冷めた目で見ていたが
「そういう法律があればいいな…」
「そうですよ! 今度は是非、警部も一緒に取り締まりに行きましょうよ! その辺の駐車場に」
「駐車場に?」
「はいっ!!」
「…本気で言っているのか?」
美沙は笑顔で頷いた。
ーー どれだけ時間がかかると思っているんだ?
「俺は…無駄なことは好きではないんだがな……」
「えーー?!」
その時
「警部!!」
ふたりの傍に
事務担当の女性が走ってくる。
「警部! すぐに義弟 (おとうと)さんに連絡してください!!」
その慌て様に
「警部?!」
美沙は慌てて黄道の顔を見上げた。
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