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客層は男性が九割、女性が一割だった。女性といっても男性の付き添いで来る客がほとんどで、最初の一杯にカクテルを頼み、後はキープしてある『霧島』に流れるのだ。
「……そっか。じゃあ仕事に慣れたらリー君にカクテルをお願いしようかな」
「本当ですか? やった、ありがとうございます。嬉しいです。頑張ります」
マスターの一声でリーの表情はぱっと明るくなった。先程見せた愛想笑いとは違って少年が見せるような笑みだ。店の雰囲気も新品の蛍光灯に変わったかのように一気に明るさを増した。
その時に葵の心にも火が点いてしまった。
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