第1章 不機嫌なプリンセス

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「へぇ?中学三年間はアメリカにいたんだ?」 「うん!おかげで金髪ギャルとたくさん仲良くなれたけどね」 休み時間になると、高峯くんはもう優也達のグループに囲まれていた。 高峯くん、いかにもクラスの中心グループが似合うタイプだものね。 「てか、高峯。うみと知り合いだったんだ?」 げっ! 優也、何聞いてるのよ!! 「うん!今朝ナンパして振られた」 あれ? まあ、さすがにパンツの事は言わないか。 焦った! 「すげぇな、高峯。高瀬さんに声かける男子なんて滅多にいねぇのに」 「でも、山崎くんは高瀬さんと仲良いんでしょ?今、呼び捨てにしてた」 高峯くんは優也に言う。 あ・・・ 「ま、まあ幼馴染みだからな。家も隣だし」 「えー!何そのラブコメみたいなの!羨ましいよ!」 「あはは。実際はラブコメとかねぇから。てか、山崎くんじゃなくて優也で良いよ。俺はソウって呼んでも良い?」 「うん!良いよ!よろしく、優也ー!なんかすっごく仲良くなれそうな予感」 「あはは。なんか初対面とは思えないな、ソウは」 優也、相変わらず人と仲良くなるの早いなぁ。 「ね!高峯くん、今日早速うちらとカラオケ行こうよ!優也も部活休みだし」 「カラオケかぁ。洋楽縛りになるけど良い?」 「えっ!何それ。超聞きたい!!ね、愛莉!」 「うん!英語とか超上手そう」 「オッケー!そうだ、うみたそも一緒に行こうよ!」 へ!? 高峯くんにいきなり名前を呼ばれ、私は驚く。 「何故私が?」 「うみたそのエンジェルボイス聴きたいからさ!」 「私は帰って勉強するから」 「うみたそ!良いじゃーん!」 「私は誰とも馴れ合う気はないからほっといて」 私はそう冷たく言い放つと、教室を出る。 「高瀬さんって相変わらず嫌な感じ!」 「あんな冷たい人間初めて見た。ね、愛莉ー?」 「う、うん・・・」 「うみ・・・。」 もう誰にも裏切られたくない!! あんな悲しい思いはしたくない・・・。
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