第1章 不機嫌なプリンセス

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「うぉっ!美味そうだな、ソウの弁当」 「俺の母ちゃん、料理上手だからねー!」 昼休みになると、優也達は机をくっつけ皆で昼食をとる。 「あっ!神崎も一緒に食おうぜ」 「僕も・・・ですか?」 「うん!神崎と前々から話してみたかったんだよな。神崎、剣道部の副キャプテンだろ?俺、サッカー部の副キャプテンだからさ」 「ええ。構いませんよ」 「わっ!君のお弁当お重!?和風だ!」 「我が家はいつもこれです。父が作ってくださるんです」 優也達のグループ、高峯くん以外にも一人入るとは。 本当私とは真逆だな、あいつ。 私はいつも通り、学食のテラスかな。 「待って!」 高峯くんが私の腕を掴む。 「何?」 「うみたそも一緒にご飯食べよう!」 「さっきの私の話、聞いてなかったのかしら?私は誰とも馴れ合うつもりないの」 「そんなの悲しいよ!うみたそ!高校生活はあっという間なんだし!一緒にエンジョイしようよ」 「貴方はノーテンキで良いわね」 「よく言われるよー!」 「貴方の考えを私に押し付けないで頂戴。私の事はほうっておいて」 「うみたそ!!」 「貴方に分かる?誰かに裏切られた気持ちが」 「え・・・」 「うみ・・・」 「とにかく!私に構わないで、二度と」 「可愛くない女ーっ」 「高峯くん、かわいそう」 「だから高瀬って嫌い!!」 私はあの日決めたの。 一人でいるって。 もう誰とも関わりたくない! 誰とも・・・。
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