第1章 不機嫌なプリンセス

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放課後になると、私はいつも通り直帰しようとしていた。 だけど 昇降口に行くと、高峯くんが立っていた。 「高峯くん・・・?」 「学校の中、案内してよ?クラス委員さん」 「貴方、私の言葉忘れたの!?本当に馬鹿・・・」 「転校生のサポートするのはクラス委員の仕事・・・だよね?うみたそ」 「大体、貴方カラオケに行くんじゃ・・・」 「泣いてる女の子見たらほっとけないからさ、俺。超紳士」 「泣いてる?誰が?」 「・・・うみたそ」 「は?」 「心の中では泣いてるでしょ?」 「か、勝手に決めつけないで」 「うみたそ?どこ行くの?」 「学校の中、案内してあげるわ。後から担任の先生に言いつけられたら、面倒だからね」 「うん!!」 「言っとくけど、私は貴方が嫌いだから」 「い、いきなり嫌い発言!?」 「私、スケベな男は大嫌いなの」 「良いよ、今は嫌いでも。嫌い嫌いも好きの内だ!」 「クソポジティブシンキング野郎ね」 「うみたそ!?意外と口悪いな」 「あら、ごめんなさい」 何で学校を案内するだなんて私、言っちゃったんだろう。 「ここが図書室。利用時間は18時まで。奥には自習室があるわ」 「わ!ひっろ!寝心地良さそうだね、机」 「馬鹿。勉強しなさいよ」 「えー?」 こんなふざけた奴、一緒にいてむかつくだけなのに。
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