第1章 不機嫌なプリンセス

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「ここが保健室ね」 「わーお!ベッドにダイブしたくなるね」 「小学生じゃないのだから」 てか、誰かに似ている気がするから憎めないのよね。 「ここが体育館。放課後はバスケ部とバレー部が使っているわ」 「わっ!めちゃくちゃ広い!バスケ部かぁ。楽しそう!モテそうだよねー!」 んー?誰だろう? 「ここが学食。外にはテラスがあるの」 「すげぇ!高級感ある!ホテルの食堂みてぇだ!」 「最後は購買ね」 「ワクワク!ワクワク!」 やっぱり誰か浮かばないわね。 「唐揚げサンドにカツサンド。美味そうなメニューだらけだ」 「昼休みは争奪戦になるそうね。私は行かないけど」 「うみたそ、よく知ってるね?」 「優・・・山崎くんに勧められたの。美味しいよって」 「優也かぁ」 「さ、この辺にしておきましょうか。他の場所は山崎くんにでも聞いて」 「ね、うみたそと優也って何で幼馴染みなのにギスギスしてるの?」 「お、親同士が仲良いからって子供同士が仲良いとは限らないでしょ」 「でも、優也はやたらとうみたそ見てたけどなぁ、さっき」 「は?」 「もしかしたらもしかして・・・」 「ば、バカな事を言わないで頂戴。優也には彼女がいるんだから」 「あぁ、水越ちゃんだっけ?うちのグループの」 「もうグループのメンバーの名前覚えたというの!?」 「当たり前ー!」 コミュ力高い人間は違うのね、やっぱり。 「ね、明日こそはうみたそも一緒にカラオケ行こうよ」 「行かない!」 「頑固だなぁ、うみたそ!」 「私は誰とも関わりたくないの」 「でも、そんなんだときっと後悔しちゃうよ?」 「えっ?」 「限られた時間しかない人間もいるんだから・・・さ」 高峯くん・・・? 「俺的にはうみたそともっと仲良くなってチューぐらい行きたいなぁ!」 「ちょうど良かった。今、私はさみ持ってるのよね」 「うみたそ!物騒な発言やめてぇ!!」 「とにかく、貴方と私は違うのだから。明日からは私に構うのをやめて頂戴」 「やーなこった!」 「物分かりの悪い男ね!」 「俺、諦め悪いからさ」 「面倒くさい男」 「うみたそー!あっ、携帯が・・・」 ん? 高峯くんは携帯電話の画面を見ると、暗い顔になる。 高峯くん・・・?
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