第1章 不機嫌なプリンセス

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「じゃあ、うみたそ!俺は今日こっちに用事があるんで!さらば!」 「貴方と別れられてせいせいするわ」 「もっと寂しがってよ!!」 「言ったでしょう?嫌いって。じゃあね、高峯くん」 「ば、バイバイ!」 私は知らなかった。 彼に隠されている秘密を。 ずっとずっと気付けなかった。 「ただいま」 「うみ、おかえ・・・」 「愛しの我が娘よー!!」 家に帰るなり、いきなりお父さんに抱きつかれた。 「お、お父さん!!」 「うみ。これからパパはイタリアに2週間、出張なんだ。寂しいよぉ!」 「そう」 「もっと寂しがってよぉ!うみー!」 あ・・・ なんかデジャヴ。 高峯くんが似ているのってお父さん・・・? 「うみ、なんかご機嫌だね?」 「へ?」 「何か良い事でも?」 「な、何もないから!」 別にあんな奴の事なんかどうでも良いんだからね!!
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