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土曜日になると、私は愛莉とサッカー部の練習試合を見に行く。
高峯くんも誘ったけど、用事があったらしく、断られた。
「うちの高校のサッカー部、優也くんが入ってからすごいんだって。しょっちゅうサッカー雑誌に載ったりしてるし、去年は全国で3位だったもんね」
愛莉は移動中の電車で話す。
「優也はお父さんがサッカーのコーチだからね」
「すごいよね!他校にもファンいるみたいだし」
優也は昔から常にスター性のある男だった。
いつも周りに人がいて。
私とは真逆だ。
「うみ、その鞄は?」
「レモンのはちみつ漬け。定番の差し入れだと思うけど、一応ね」
「なんか彼女っぽい!」
「な、何言ってるのよ!私みたいに差し入れ渡す女子なんて大量にいるわよ、優也の場合」
「でも、優也くんが一番欲しいのはうみの差し入れだよ、きっと」
「ち、違うわ!絶対」
やはり持ってこなければ良かったかもしれない。
優也ぐらいになると差し入れを渡す女子は10人以上はいるに違いない。
逆に迷惑かも?
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