第3章 好きなのはどっち?

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土曜日になると、私は愛莉とサッカー部の練習試合を見に行く。 高峯くんも誘ったけど、用事があったらしく、断られた。 「うちの高校のサッカー部、優也くんが入ってからすごいんだって。しょっちゅうサッカー雑誌に載ったりしてるし、去年は全国で3位だったもんね」 愛莉は移動中の電車で話す。 「優也はお父さんがサッカーのコーチだからね」 「すごいよね!他校にもファンいるみたいだし」 優也は昔から常にスター性のある男だった。 いつも周りに人がいて。 私とは真逆だ。 「うみ、その鞄は?」 「レモンのはちみつ漬け。定番の差し入れだと思うけど、一応ね」 「なんか彼女っぽい!」 「な、何言ってるのよ!私みたいに差し入れ渡す女子なんて大量にいるわよ、優也の場合」 「でも、優也くんが一番欲しいのはうみの差し入れだよ、きっと」 「ち、違うわ!絶対」 やはり持ってこなければ良かったかもしれない。 優也ぐらいになると差し入れを渡す女子は10人以上はいるに違いない。 逆に迷惑かも?
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