第3章 好きなのはどっち?

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だけど そんな事も知らず、優也は私の元へ。 「愛莉も来てたんだ。ありがとう。良かった!来ないかと思ったわ、うみ」 「生徒会長として活躍している部活を応援するのは当然じゃない」 「ふーん?で、その袋はなんだ?差し入れ?」 「レモンのはちみつ漬けよ。でも、貴方はたくさん差し入れを貰うでしょうし・・・」 「食うよ。うみが作ったんだろ?すげぇ嬉しいな」 「お、お腹壊しても知らないわよ」 「大丈夫!俺、超丈夫に出来てるから」 「そ、そう」 「勝つよ、絶対」 優也は真剣な顔で私に言う。 「が、頑張って」 「おぅ」 自分でもまだ分からない。 優也への気持ちは。 でも 勝って欲しい。 ちゃんと確かめなきゃ。 「山崎くーん!!」 ファン達は優也に必死に声援を送る。 サッカーについてはあまり詳しくはない。 でも 素人目で見ても、優也が強いのは明らかだ。 優也にボールが行くと、誰も優也からボールを奪えない。 中学の時より実力が上がってるのはサッカーを分かっていない私でも分かった。 相手チームはなかなか優也からボールを奪えず、汗を流し、苦しそうな表情。 だけど 優也はあまり汗を見せず、余裕な表情。 そして、相手チームに一点も入れさせず、5対0でうちの高校のサッカー部が圧勝した。 点を入れたのは殆ど優也だった。 さすがエース。 「山崎くん、お疲れー!」 「優也くーん!」 試合が終わるなり、女子達は優也の元へ。 「帰るわよ、愛莉」 「えっ!うみ!?」 やっぱり優也はすごい。 今日一番のスターだ。 何だかさらに優也を遠くに感じてしまった。
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