第3章 好きなのはどっち?

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月曜日になると、私はいつもの時間に家を出る。 高峯くんに会う気がするけど。 「あ、うみたそ!おはよ!」 駅に着くなり、高峯くんは私を出迎えた。 どうやら待ち伏せしてたらしい。 私に気付くと、高峯くんはイヤフォンを外した。 「おはよう。何を聴いていたの?」 「ストーンズ」 「やはり洋楽が好きなのね」 「まあね。洋楽でもロックばっかだけど。うみたそはロック聴いたりする?」 「私は聴かないわね。びっくりしてしまうのよ」 「あはは。うみたそはいちいち萌えだね!まぶいー!」 「高峯くんっておじさんくさいわよね」 「ひどっ!まだシックスティーンだよ!?」 「私の父と言動が似ている時点でおじさんよ」 「マジっすか。あ、うみたそは音楽、何聴くの?」 「私はクラッシックが殆どね。私自身ピアノをずっとやっていたから」 「さすがお嬢様!今はピアノやってないの?」 「ええ。高校受験を機にやめたわ。目指す大学が大学だし、高校生の間はなるべく勉強に専念したくって。ピアノは趣味にとどめているわ」 「そっかぁ。クラッシック以外も聴くと良いよ!カラオケで歌う曲増えるし」 「クラッシック以外か・・・」 「洋楽でも激しくないのあるから今度CD貸すよ。あと、俺が最近お気に入りなアイドルソングも」 「あ、アイドルソング?」 「そ!君にゾッコンだにゃん!って曲」 「曲名からして嫌な予感しかしないから遠慮しておくわ」 「えー?めちゃくちゃ神曲なのに!」 高峯くんはやっぱり変わってる。 「洋楽は聴いてみたいわ」 「アイドルソングも聴いてよー!うみたそにカラオケで歌って欲しい!」 「絶対嫌!」 「うみたそー!」 高峯くんとも仲良くなれてきた気がする。 最初は気持ち悪かったけど、今はすっかり慣れた。 「そういえば、優也・・・試合勝ったんだって?」 高峯くんはいきなり話題を変えてきた。 あ・・・
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