第3章 好きなのはどっち?

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「うみたそ、うみたそ!今日も学食行くのー?」 昼休みになると、高峯くんが声をかけてきた。 「ええ。愛莉と」 「ご一緒しても宜しいかな?お姫様方」 「さ、寒気がしたわ」 「あはは!高峯くん、マジ面白ーっ」 「神崎くんがね、優也達のグループいるの辛いみたい」 「優也さんは好きですが、女子達がやたらと僕をからかってくるんです・・・」 ああ、神崎くんって女子あまり得意じゃないんだっけ。 「でも、愛莉と私は平気なのね」 「お二人とも、なんか話しやすいんです」 同じ生徒会だからかしら? 「では、ご一緒しましょう。良いわよね?愛莉」 「う、うん!」 だけど 「えー?神崎くんと高峯くん、行っちゃうのー?」 優也のグループの女子達が騒ぐ。 「学食な気分だからさ!ね、神崎くん!」 「す、すみません」 神崎くんは高峯くんの背中に隠れながら返答する。 「寂しいな。神崎くんもソウもいないなんて」 優也が寂しそうに言う。 「優也ー!」 高峯くんが優也に抱きつく。 「やっぱり高峯くんと優也くんってそういう?」 「どっちが受けかしら!?」 受け? 「神崎くん、受けって?」 「僕も分かりかねます。南沢さんはご存知ですか?」 「へ?ふ、二人は知らなくて良いと思うよ?」 愛莉? 「もちろん、うみとランチできないのも寂しいって思ってるぞ。俺は」 優也は高峯くんが抱きつくのをやめると、にやっと笑って言う。 「いつも一緒に食べないじゃない!」 「うみが寄り付かないからな。俺は一緒にランチしてぇのに」 ゆ、優也!? 「優也くん、何言ってんの?」 「ま、まさか高瀬さん狙いじゃないよね?」 最近の優也はおかしい。 「うみも良いんだぞ?俺にハグしても」 「しないわよ!バカ!」 私はそう言うと、教室を出た。 「待ってよ!うみ!」 何であんな私を困らせるような事言うのかしら。 「本当わけが分からないわ」 こないだの練習試合の時といい・・・
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